この記事は、↓こちらの記事の続編です!
前回同様、ほぼ粒状化色です!
今回とりあげる色はこちらです。
紫
紫の無機顔料の絵の具は結構メーカーが偏ってるというか、全く出してないメーカーもあるんですよね。
Roman Szmal コバルトバイオレットディープ PV14
モニターの関係で赤紫っぽく見えるかもしれませんが、実際は「ザ・紫」という色です。コバルトバイオレット系は赤紫が多いので、この色はかなり青みのコバルトバイオレットです。
青みの紫って赤紫に比べて少ないような気がするので、こういう色は貴重です。
夏になるとネチョネチョと溶けるので要注意。
Roman Szmal ストロンチウムバイオレット PV62
結構最近出た絵の具なんですが、これ見たときは「きたー!!!」って思いましたね。こういう色でここまで粒状化する絵の具ってほんとないんですよね。紫の粒状化色は諦めていたところもあるんですが、これぞ私が求めていた紫!って感じでした。
セヌリエ ブルーバイオレット PV15
ほとんど粒状化しませんが、なめらかっていうわけでもない色です。ですのでいろんなところに気軽に使えます。発色もそんなに強くないので、どこにでもしのばせることができる便利色です。
W&N ウルトラマリンバイオレット PV15
↑のブルーバイオレットと顔料も一緒ですし、ほとんど同じような色だと思います。ちょっと溶けにくいかな?溶けにくさを利用して、薄塗りしたいときには便利だと思います。個人的には溶けやすいセヌリエのほうがおすすめかな。
青紫
W&N スマルト(デュモントブルー) PV15
これもPV15なんですが、結構青みですね。そして結構粒状化します。
この青紫って好きな人多いと思います。人気色ですよね。お店で売り切れになってるのも何度か見ました。
私の中では桔梗の色というイメージで、秋になると使いたくなる色です。
Roman Szmal ミスティモーニング PG50,PV19
ローマンシュマルと言えば!みたいな色ですよね。この絶妙なゆめかわ感。そしてきれいに分離するんですよね。全体的にはグレーっぽいのでさりげなく使うこともできますし、逆にこれを主役にしてもかわいいですよね。
あと名前がいい。ミスティなモーニング。私は高原の朝をイメージしました。
Roman Szmal シャドウバイオレットライト PB36,PB29,PR176
ミスティモーニングと似ていますが、こっちのほうが濃いですし、色も強いです。ですのでゆめかわというよりもちょっとおどろおどろしい雰囲気もあります。それはそれでとても良いです。
シュミンケ ギャラクシーバイオレット PR233,PB29
青と紫に分離する分離色を探していたときに買ったものです。青と紫の分離ってよくありますが、この色は結構深い色なんですよね。しっかりした色同士が分離しているという感じがして好きです。
ギャラクシー感強い色ですが、当然ながら宇宙の絵でなくても使えます。花とか。
青
私はPB74のコバルトブルーが大好きなので、「ほぼ同じじゃん」という色でもついつい買っちゃうんですよね。好きすぎてすっごい使うので、いっぱい持ってても大丈夫なのです。隙あらば使っちゃう。
無機顔料の青の好きなところは、重ねてたくさん塗っても黒っぽくなっていかないところです。鮮やかな色を保ち続けてくれます。インダンスレンブルーみたいな透明な有機顔料の絵の具は濃く塗るとほぼ黒みたいになっちゃいますが、コバルトブルーは濃く塗っても青のままです。水の加減次第で色が変わっちゃう色は複雑な表現ができる反面、筆やパレットでの水分量の調整が繊細なんですよね。水のコントロールめちゃくちゃ苦手でいっつもシャビシャビで塗ってるので、色が変わらないのはありがたいです。
W&N フレンチウルトラマリン PB29
分離色づくりの強い見方のPB29です。透明感があって強い粒状化。コバルトブルーはちょっと不透明感あるので、透明なグラニュレーション青が欲しい方はこちらの方がおすすめです。
W&N コバルトブルーディープ PB74
最高オブ最高の青。ゴリッゴリの粒状化。今のところこれを超える粒状化の青には出会えてません。ただ塗るだけで楽しい色。癖が強すぎるのですべての人におすすめというわけにはいきませんが、気になった方は一度使ってみることをおすすめします。フレンチウルトラマリンよりも粒状化しますので。
Roman Szmal コバルトブルーディープ PB74
またしてもPB74です。同じ顔料のW&Nのコバルトブルーディープと似ています。個人的には、わざわざ海外から買わなくても、W&Nの方でいいと思います。
A.Gallo ラピスラズリ
鮮やか系ラピスラズリですね。ラピスラズリと名前のついた絵の具は少しくすんだ色のものが多いので、驚きの青さって感じです。
(ここから先、「顔料が書いていない絵の具=顔料を使っていない、鉱物から作っていると案にアピールしている絵の具」がいくつか出てきますが、結局ユーザーには真相はわかりませんのでね。この絵の具にもラピスラズリがどの程度入っているのかはわかりませんが、そういう商品名なんだなと思っておきます。)
シュミンケ グレイシャーブルー PB29,PG50
スーパーグラニュレーティングにしては分離は強くないタイプです。分離していると思いますがあんまりわかりません。分離は弱くともグラニュレーションは強いです。コバルトブルーやウルトラマリンとも違うやや緑みの青で強い粒状化という色なので、実は結構珍しい色です。あんまり人気がないのか、この色だけが売れ残っているという場面を見ました。やはりわかりやすく分離をしている色のほうが目立ちますもんね。分離はよく分からずとも、単純に色としていいのでおすすめです。
藍色
明度も再度も低い青を集めてみました。
シュミンケ ツンドラブルー PB29,PBr7
ツンドラシリーズは渋い色が多い印象ですが、この青も結構渋いです。薄茶色が分離しますが、茶色というか黄色のようにも見えます。ヘイズブルーも同じように青と薄茶色が分離する色ですが、ツンドラブルーのほうが青が深い色ですね。
この色、最初は使い所があるかわからずに買ってみたんですが、実際めちゃくちゃ使っています。「青なんだけど青じゃ青すぎるな」って時にこれに手が伸びちゃいます。
ダニエルスミス ラピスラズリ
ややグレー味のあるラピスラズリ。まわりの糊成分なのか、ちょっと黄色っぽくもなります。分離色だと思って使っています。
もったりした色で、石っぽさは抜群です。
ダニエルスミス ソーダライトジェニュイン
かなり暗い青です。濃く塗ったところはほぼ黒じゃないかというくらい強い色にもなります。この色見本だと結構明るくなっちゃってますが、実物はもう少し彩度が低いです。青として使うには暗いですが、グレーとして使うとめちゃくちゃキレイです。
シュミンケ ディープシーインディゴ PV62,PG18
ディープシーっていうより浅瀬の海の感じしますし、インディゴというには明るい気もするという名前が気になる絵の具ではありますが、色はめちゃくちゃいいです。周囲に広がる青緑もきれいですし、沈んでいる青もきれいです。青の顔料使わずにこの色になるんだからおもしろい。
シュミンケ ヘイズブルー PY43,PB29,PBr7
ツンドラブルー同様、青と薄茶の分離です。ヘイズブルーのほうが薄茶の存在感がありますね。PY43が最初にきているからでしょうか。黄色と青は混ぜると緑になりますが、緑にならずにそれぞれがちゃんと黄色と青でいてくれる絵の具っていうのはそれだけで尊いですよね。
シュミンケ ヘイズインディゴ PB29,PG26,PBr33
はっきりとしたわかりやすい分離があるわけではありませんが、無彩色では出せない複雑な色味のある暗い色です。「黒に近いけど黒じゃない」色にハマっていて、この色も買いました。私は反対色で影を作るのが苦手で、影には黒を入れたいんですよね。色相環をいちいち見ないと何が反対色なのかわからなくなっちゃうので。でも真っ黒はちょっと違うなぁという中途半端な嗜好を持っているので、こういう絶妙に「黒だけど、黒じゃなかった!」みたいな色があると畑に飛び出して踊りだしちゃうわけです。
ダニエルスミス カイナイトジェニュイン
薄い青です。結構渋い色ですが濃く出ないというか、ふわ〜っとした色なんですよね。白が入っていないのに薄いので、淡く塗りたいときに便利です。あと、少しキラキラしています。キラキラはよく見ればわかるという程度で、そんなに絵の邪魔もしません。色も、キラキラも、さりげなく存在するという感じがいいんですよね。ほぼグレーっぽいので、キラキラグレーみたいな不思議な感じも味わえます。
緑みの青の彩度低いやつ
絶妙な色すぎて分類がむずい色たち
ダニエルスミス ルナブルー PB15,PBk11
青と黒の混色ですが、意外と黒は主張してきません。全体としてまとまって彩度の低い青になっています。薄く塗ったところにはくすんだ水色が浮いてきていて、これは人気になるべくしてなった色という感じですね。ダニエルスミスの分離色は分離色堕ち人を増産しましたが、この色もその一角ではないでしょうか。
クサカベ ハルモニア アークティックオーシャン PB29.PG19,PBk7
グレーの部分とか、白の影色とかにこれ使っておけばいいと思っている色。ピンクみもあるし、水色みもあるから、まるでいろんな色で作った影色のように見える気がしていてすぐこれ使っちゃう。価格もありがたいので、これなくなったら困る。
シュミンケ フォレストブルー PB36,PBk11
ブルーとついていますが、フォレストシリーズは全体として緑っぽいのでこの色も結構緑です。分離はそんなにわかりません。これも影色として使いたくて買ったんですよね。影色にしては明るく鮮やかですが、赤っぽい部分の影に使えばいい感じになると思います。(やってみてないので予想です。)
水色
水色といえばセルリアンブルー。各メーカーから出てるけど、みんな若干違ってて集めちゃうんですよねぇ。
Roman Szmal アクエリアスコバルトブルー PB72
結構珍しい顔料です。画像だとわかりにくいですが、水を多くするとうっすら分離します。ほんとにうっすらですけどね。コバルトブルーという名前のわりには濃い青で、ややくすんだような色をしています。濃いですがいわゆるコバルトブルーよりは薄くて、他で見ないような色なんですよね。アクエリアスってのはここでは水彩って意味で使ってるのかな?と思います(真相は知りません)。
ダニエルスミス セルリアンブルー PB35
ここから先、怒涛のセルリアンブルー祭が始まります。ほぼ同じ色なので何も言う事ないんですが、微妙にそれぞれ違うので特徴を少しでも伝えられたらと思います。
なおこれは薄味のセルリアンブルー。白っぽいというか、青がガツンとくるかんじはなくて、ちょい黄み?
Roman Szmal コバルトコエリンブルー PB35
青みです。↑のDSのセルリアンブルーに比べると明確に青いです。
なお、コエリンは私が勝手に書いてます。Cobalt Coelin Blueという表記でしか見ていないので、正確な読み方はわかりません。Coelinってなにかわからなかったので調べたんですが、たぶんドイツ語でセルリアンのことなのかな?シュミンケのセルリアンブルーヒューのチューブにいろんな言語でセルリアンブルーヒューって書いてありますが、その一番上はCoelinblautonなんですよね。なのでたぶんコバルトセルリアンブルーって意味なのかなって思います。
セヌリエ セルリアンブルーレッドシェード
青みです。ローマンシュマルとほぼ同じですね。セヌリエのほうが溶けやすいからか、粒状化は強く見えます。持ってるセルリアンブルーの中で一番粒状化が強いかもしれません。
また、セルリアンブルーはちょっと溶けにくかったりする色でもありますが、セヌリエの絵の具は全般的に溶けやすいのでセルリアンブルーも溶けやすいです。
セヌリエ セルリアンブルー PB29
黄みです。ダニエルスミスのセルリアンブルーより黄みかな?セヌリエは2つのセルリアンブルーを出しているので、赤みと黄みがはっきりしている感じですね。セルリアンブルーが好きすぎて赤み(紫み)と黄み(緑み)のどっちもがほしいというはセヌリエで買うとわかりやすくていいかもしれません。
春蔵 セルリアンブルー
粒状化ではない独特のモケモケの質感です。溶けやすくて使いやすいです。色は青みですね。セルリアンブルーってどこのメーカーでも似たような感じと思っていたのですが、この質感は春蔵の独自性があると思います。
A.Gallo ジルコニウムブルー PB71
変わった顔料の絵の具です。グリグリ溶かしてもあんまり濃くなりません。セルリアンブルーたちに比べて結構黄みで、ヨーロッパの空って感じです。(イメージです。)
現状では個人で輸入しないと手に入らないですしやや高めの絵の具ではありますが、珍しい絵の具がお好きなら方ならぜひ!
マイメリ コバルトブルー PB36
これはマイメリ全色紹介をしたときに推し色として上げましたが、すごく珍しい色みの絵の具です。コバルトブルーなのに水色コーナーにある時点でアレ?という感じですが、青っていうより水色なんですよね。
名前も顔料もよくある感じなので注目されにくいかもしれませんが、すごく絶妙なくすみ加減です。マイメリの最推しはもしかしたらこの色かもしれません。ガチ推し。今度この色だけで記事書こうかな。
長いことお付き合いいただきありがとうございました。
次回はシュミンケのディープシーグリーンから始まる青緑→緑→茶色→グレーです。
全部読んだ方ほんとにすごい