水彩の線画の印刷
私はアナログで絵を描いていて、アナログ画材を愛用していますが、たまにデジタルで線画を描くこともあります。
たまになのでその都度コンビニに行って印刷して、それをトレース台もしくはトレーシングペーパーで水彩紙に写すということをやっていたわけですが、
めんどくさい
まずコンビニに行くのもめんどくさいし、トレースするのもめんどくさい。
もっと気軽にできないかなと思っていたところ、ペイトさんのブログ(ペイトのすすす)でプリンターを紹介している記事が公開されました。
水彩紙がプリンターで使えるという発想がなかったので、目からうろこがポロポロ落ちました。
しかもこちらの記事ではいろんな紙の使用例もご紹介いただいているので、「私でもできるかも(゚∀゚)」という気持ちになり、まずはプリンターを買うことにしたわけです。
そこでお世話になったのがこちらの「水彩絵の具使ってみた!ドットコム」のホネ山さんの記事です。
家庭でレーザープリンターを使うという発想がなかったので、またしても目からうろこがポロポロ落ちました。
レーザープリンターならトナーなので耐水性です。
水彩の線画にしても大丈夫じゃないかということで、なるべく小さそうなレーザープリンターを導入することにしました。
トナーならインクより長持ちしそうだし
実際に買ったプリンター
A4までで、モノクロ印刷のみのタイプです。
レーザープリンターって職場とかにある大きいのしか見たことなかったんですが、案外小さいのもあるのねえって感じでした。新しい発見が多い。
重さは5キロくらいだから、結構どこにでも置けるよ
200g/㎡の紙
「200g/㎡の紙」といきなり言ってますが、それってどういう意味?という方もいますよね。g/㎡は紙の厚さを表す単位です。1㎡あたり何gかという考え方で紙の厚を示しています。厚い紙ほど重くなりますので、数字が大きくなるほど厚い紙ということになります。ちなみにコピー用紙はだいたい64g/㎡くらいだそうです。詳しく知りたい方は検索してみてください。紙屋さんが詳しく解説しているサイトがたくさんあります。
※文字化けして読めない方へ…文字化け部分は「平方メートル」と表示されています。
なぜ200g/㎡(以下、200gと表記します)くらいの紙を比較するのかというと、薄い紙では水彩の水に耐えられず、ブヨブヨになったり、きれいなぼかしができなかったりしますし、逆に厚すぎる紙だと詰まっちゃうからです。
私の持っているプリンターは説明書によると推奨される厚さは165gまでです。ただし、はがきは印刷できることになっています。官製はがきは209.5gです。
「はがきサイズの薄い紙なら良い」という意味で、「官製はがき(209.5g)が印刷できるわけじゃないよ」という意味かもしれませんが、自分に都合がいいように解釈して、はがきが印刷できるなら210gくらいまでならできると思うことにしました。
自分に都合がいいように解釈することでひらける道もある
厚さ順にご紹介
用意した紙に同じ感じで色を塗って比較してみました。
紙を買うにあたって用意した一覧です。
ちなみに、ウォッシュは本来はさらさら〜っと塗る感じかもしれませんが、紙の特徴がわかりやすいかな?と思って筆でベタベタと塗っています。本来のウォッシュとちょっと違うかも?
水彩の技法の定義とかよくわかってなくてごめんね
アートスパイラル 156.5g
家にあった一番薄い画用紙です。
スケッチなどに向いています。紙質は凹凸が少しあってスケッチブックにしては表面は強めです。カラフルな表紙もかわいいので、スケッチブックはもっぱらこれを愛用しています。
薄い紙なので、印刷はきれいです。
水彩技法の方はやはりスケッチブックではなかなか難しい表現もありそうです。ベタ塗りでは筆跡がしっかりと残ってしまいましたし、そもそもムラなく塗るのが難しいです。ただ、にじみはスケッチブックにしてはきれいに出ていると思います。
こちらはあくまでスケッチ用という感じですね。
シリウス 厚口 168g
この紙は上述のペイトさんの記事で知りました。
なんとこれ、B5ならAmazonで50枚で495円なんです。コスパがすごい。
薄めの紙ですが、ベタ塗りでのムラは思ったよりもでませんでした。水彩にも耐えられるような感じです。ただ、水を多く使うと紙の波打ちがすごいので、ほどほどがよさそうです。
ホワイトワトソンパッド 190g
誰もが一度は使ったことのある?ホワイトワトソン。
これはホワイトワトソンのパット版です。ホワイトワトソンは形状によって厚さが違っていて、ブロックタイプは300g、ブックタイプ(スプリングのもの)は239gです。ですので、同じホワイトワトソンでもこのパッドは薄いものだとお考えください。
薄いといってもさすがホワイトワトソンです。にじみはきれいに出ますし、平面をベタ塗りしてもムラがでません。
ニューTMKポスターパッド 207g
200gの大台をこえてきました。このあたりから、水彩紙としての力を発揮してきます。
この紙はアニメの背景などでも使われている有名な紙です。
透明水彩よりもどちらかというとポスタカラーや不透明水彩(ガッシュ)向きの紙で、めちゃくちゃ表面がなめらかです。さらさら〜って感じです。
そして発色がすごくいいです。発色はすごいですが、紙の色はすこ〜しだけ黄みがかっていて目に優しいです。でも発色はいいので青がまぶしいです。
ただ、透明水彩の透明色を使ったからなのか、水をたくさん使うとエッジが強く出てしまう感じでした。さらっさらなのでしかたないですね。
表面が強く、マスキング液にまったくびくともしませんでした。
不透明水彩でも実験してみたいと思います!
クレスター ブロック 210g
コットンも配合されている水彩紙です。
色は少し黄みがかっていてナチュラルです。今回買った紙の中では一番ナチュラルな色でした。
ウエット・オン・ウエットで少し失敗してバックランみたいになっちゃってますが、きれいにぼかしは出ています。
コットン配合のためか、水がしみこんでる〜って感じの柔らかい表現になります。
コットン配合だと印刷がきれいに出にくいのですが、クレスターは印刷もできるし、水彩っぽさも出せるし、なかなかよいです。
こちらもマスキング液には耐えています。
サンフラワーペーパーM画パッド 211g
こちらもTMKのようにさらっさらの表面です。
不透明水彩向きと書いてありましたが、たしかにそんな感じでなめらかな表面です。
TMKよりも少し価格が抑えめです。
結構独特の表現になる紙で、ウォッシュでは筆の先があたっているところに絵具がたまり、あまり広がっていかない感じでした。
バックランでも同様に、水があまり広がっていかず、カリフラワー状ではなく「水が落ちた」という感じになっています。
これはこれでおもしろい表現ができそうです。初めて使いましたが気に入りました。
シリウス 特厚口 220g
今回の比較では一番厚い紙です。
紙質はシリウス厚口と同じ感じです。すこしだけ凸凹がありますが、中目ほどではありません。
厚みがしっかりあるので、水彩の技法は結構できる感じがします。
ただ、重色には弱く、濃くぬった場合重ねると下の色が溶け出します。このへんはコットン紙ではないのでしかたがないかなというところでしょうか。
このくらいの厚さになると、描き終わったあとの紙のたわみもほとんどなく、水彩紙としても運用できそうな感じがしました。
マスキングにはちょい弱め。
うまくいかなかった紙
その他にも同じような厚さの紙も使ってみましたが、そもそもきれいに印刷できないというものもありました。
凸凹が大きかったり、毛羽立ちがあったりするとそこにトナーがついてしまって表面が汚れてしまうのです。印刷するにはなるべく凸凹の少ない紙が向いていると思いました。
ホルベインのアルビレオ(218g)。厚さはそこまでではないのですが、表面の質感のためかすこし汚れてしまいました。
ミューズのホワイトワトソンブロック(300g)。こちらは前述のホワイトワトソンパッドよりも厚みのあるブロックタイプです。本当はこれに印刷できればよかったんですが、かなり汚れてしまいました。
水彩紙っぽさが増すと、印刷できなくなる
まとめ
プリンターを導入することで、お絵かきのハードルがめちゃくちゃ下がりましたし、今までできなかったことができるようになったりして、本当に良かったと思いました。
次はスキャナーがほしい
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪