Twitterにのせたものをまとめました。Twitterの海に流れていかないように笑
筆洗ににがりを入れるきっかけ
なぜそのようなことをしたのかというと、事の発端はこちらです。
これらのツイートを拝見し、私はこんなことを思いました。
硬水は軟水よりもカルシウムやマグネシウムの量が多いらしいのでそれを家の水道水に足したら硬水化できるのでは?と。
でもカルシウムとかマグネシウムとかよくわからないので、もっと簡単に硬水にできる方法がないかと調べたところ、最初に思いついた「にがり」だけで硬水にできるような感じでした。
正直、このへんは詳しいことはよくわかりません。化学の知識がほぼないので、調べてもわからない単語がたくさんあったり、謎の計算式が出てきたりしていて理解するのを諦めました。でも結果的に、にがりを使ってやりたいことがやれたのでOKということにします。(数学の問題で、途中式があやふやなのに答えだけあってたパターンです。)
にがりを買ってみた!
そして無駄に2ヶ月経過し、やっとにがりを買ってきたので実験してみました。にがりはスーパーで買えるので入手も簡単でいいですよね。どの画材よりも買いやすいです。そして硬水を買うよりも圧倒的に安上がりなのと、圧倒的に場所をとりません。
このツイートで、「外国の人の絵のようになる」と書いていますが、これは今でもそう思います。Instagramのリールなどで水彩のメイキングをアップしている外国の方は多くいますが、そういう方の絵の絵具の広がりやにじみ方は、日本の方のメイキング動画と何かが違うのです。日本の方でも、ウエットオンウエットをすれば絵具は広がるのですが、外国の方の絵具はもっとフワッというか、抵抗を受けていない感じというか。
広がりはもちろんですが、分離色の分離もはっきりしている感じがします。
この絵の茶色い影の部分はにがりを入れた水で描いたものです。それまでと明らかに違うにじみの広がりで感動しました。私の技術ではできない表現を、にがり水がしてくれています。これはナチュラルワトソンというパルプ紙に描いているもので、パルプ紙はコットン紙に比べてきれいなにじみが作りにくいにも関わらず、わりときれいにできました。
めちゃくちゃややこしい計算もしてみた
にがりを入れると言っても、どの程度いれたら1番しっくりくるのかわからなかったので、とりあえずの目安を出すためにも計算してみました。
家の水道水の硬度は70です。(これは千葉県の水道水の硬度を調べたものです)ヨーロッパの硬水と言われるものは、だいたい硬度は250〜300だそうです。地域によって変わりますが、だいたいこんな感じとのこと。硬度の高い水として有名なコントレックスは硬度1468です。思ったより高くてびっくりしました。
私の買ってきたにがりは硬度39,121です。5桁!
この硬度約4万のにがりを、ヨーロッパの水の硬度にするためには軟水で薄める必要があります。ここではヨーロッパの水の硬度を270と設定し、硬度約4万のにがりを、硬度70の水道水で薄めていって硬度270まで下げるということをやります。画像に計算式がありますが、これも調べたら出てきたものです。数字を式に当てはめて計算すると、水道水200ccに対してにがり1ccという結果になりました。
私はだいたい400ccくらいの筆洗を使っているので、筆洗に3〜4滴くらいのにがりを入れるとヨーロッパの硬水くらいになるということがわかりました。
なお、画像には「コントレックスをつくる」と書いていますが、これは「コントレックスと同レベルの硬度の水をつくる」という意味であり、市販のコントレックスと同じものが作れるわけではありません。コントレックスには他の成分も入っていると思うので。
計算だけじゃ信用できないので実際にやってみた
計算式はあくまで計算式ですので、実際に塗ってみました。
実は、「にがりを入れるだけで効果が出るなら、にがりが多ければ多いほどいいんじゃないの?」と思っていました。
そしてやってみた結果がこちら↓
予想に反し、にがり100%では全然いい感じになりませんでした。やはりヨーロッパ硬度がちょうどいいみたいです。絵具はヨーロッパの水でいい感じになるように作られているっていうことですね…。にがり100%は独特の表現になるので、それはそれで使い所があるかもしれませんが、ちょっと扱いが難しいかなと感じました。
こちらの画像では分離色の絵の具を使っています。適度なにがりを入れることで、粒状化もはっきりして、分離がきれいに出ています。
まとめ
にがりを筆洗にポタポタと数滴入れるだけで、透明水彩の透明水彩らしさがアップして楽しいよ!
なお、私は筆洗に毎回にがりを入れるようにしてみています。
ここまで読んでいただきありがとうございました♪