keywords:透明水彩、分離色
ちょっと苦手なクセつよテクスチャ
いろいろな透明水彩をつかってみて、どうも苦手に感じる絵の具がありました。
それがこちら。

ここにあげた絵の具たちは色はとってもかわいいけど、とろり〜んとした感じが強いというか、私の使い方だと、筆のあとが残りやすくてムラができてしまうのです。
もちろん、塗り方や紙によっては違うと思うのですが、私の使用している紙だったり、私の塗り方の水分量だったりと相性がよくないのか、うまく使うことができませんでした。
セルリアンブルーやポッターズピンクは、すごくかわいい色なのですが、とろり〜ん+えげつない粒状化で、まったくコントロールできませんでした。
これらの絵の具はいつしかパレットから左遷され、日の目を見なくなってしまっていました。でも好きで買ってる絵の具なので、どうにか復活させたい!と頭の隅で思っていました。
分離色として再出発
これらのクセの強い絵の具たちは分離色に使われていることが多いと気づいたので、どうせうまく使えなくて眠っているんだったら分離色のためだけに使ってみるのもいいかもしれないと思い、今回の研究(?)をやってみました。
とろり〜んとしたテクスチャや、粒状化しやすい大きい顔料は、他との混ざりにくさという点でとても分離色に向いているのです。
方法

すでにパレットに出していた絵の具たちだったので、枠からはずしてハサミで小さく切りました。なぜ切ったのかというと、2つの絵の具を1つの枠に入れるにはそのままだと量が多すぎたからです。量が減っていた絵の具は切っていません。
画像だとすでに2色の組み合わせができていますが、これはいろんな組み合わせを試してから枠に入れています。
似たような色だと分離していてもよくわからないので、赤⇔青のように全然違う色で組み合わせています。

こんなふうに、ひとつの枠の中で簡単に筆にとることができるようにしました。

青(コバルトブルー)と赤(ローズドーレ)をどちらも筆にとることができているので、簡単に紫っぽい色になっています。
自作分離色のメリットとして、どちらの色を多く取るかで、青に寄せたり赤に寄せたりも自由自在というのがあります。

パレットの中ですでにめちゃくちゃ分離している色たち。
結果

結果的に、使いにくかった絵の具たちがこれだけの分離色に生まれ変わりました。
個人的にお気に入りの組み合わせは、③のセルリアンブルー+ウルトラマリンバイオレットです!
青紫の中に青の粒があってとてもきれいです。
①のフレンチウルトラマリン+ポッターズピンク、②のコバルトブルー+ローズドーレは、どちらも青とピンクの組み合わせですが、真逆の分離のしかたをしています。この2つを絵の中で同時に使ったらおもしろそうですね。
上の画像だと分離がわからない色もあるので、もう一枚画像を載せます。

こちらは、できた分離色を使えそうなモチーフで描いてみました。
セルリアンブルー+イソインドリノンイエローディープはそのまんま、青っぽいミカンの色です。粒状化しているのがミカンの表面の凸凹っぽくも見えるので、ミカンを描くのに最適です。
ちなみに
ウィンザー&ニュートンのテールベルトとテールベルトイエローシェード、ターナーのマヤグリーンは色が薄くて混ぜるとわからなくなってしまうので、生まれ変われませんでした。
まとめ
分離色にしたからといって、とろり〜んテクスチャなどは変わっていないのですが、そのクセにさらに分離というクセを足したことによって、強烈な個性として再評価できました。
使いこなせないと思っていた絵の具たちが生まれ変わってよかったです。
もし、同じようなことで悩んでいる方がいたら挑戦してみてもいいかも?

ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪



